【10月10日 AFP】インターネットの動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」そっくりに作ったウェブサイトを利用して、ユーザーのコンピューターに有害ソフトをインストールする手口のハッカー行為が広がっていると、セキュリティ対策ソフトを開発・販売する「トレンドマイクロ(Trend Micro)」の専門家が警告している。

 この手口は、現在流行しているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用したハッカー行為と同様に、ユーザー同士の信頼によってリンク先や簡易ソフトを共有するシステムを利用したもの。

 トレンドマイクロのJamz Yaneza氏は9日、AFPに対し、マイスペース(MySpace)やフェースブック(Facebook)、AOLインスタント・メッセンジャーなどでも同様の手口が見られると明かし、「あらゆるSNSで、サイトの一部が攻撃を受けている」と語った。

 ユーチューブを利用した手口の場合、ユーザーに「必見情報」のリンク先を送信し、ユーザーが区別できないほどそっくりなユーチューブの偽ページに誘導する。偽ページでは、希望する動画を閲覧するにはソフトウエアのアップデートが必要だと指示される。

 アップデートに同意すると、有害ソフトがインストールされ、そのソフトによってキーストロークが記録されたり、情報が盗まれたり、コンピューターが乗っ取られることもあると、トレンドマイクロのデービッド・ペリー(David Perry)氏は警告する。

 この際に再生される動画は、実際にユーチューブに掲載されているものであるため、ユーザーが有害ソフトのインストールに気づく可能性は低いとしている。(c)AFP/Glenn Chapman