【9月26日 AFP】米ソフトウエア大手のオラクル(Oracle)が、米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(Hewlett PackardHP)と共同でハードウエア機器を開発し、ハードウエア事業に進出した。

 オラクルのラリー・エリソン(Larry Ellison)最高経営責任者(CEO)が24日、サンフランシスコ(San Francisco)で開催されたカンファレンス「Oracle Open World」で、HPと共同開発したストレージ(外部記憶装置)「エクサデータ・ストレージ・サーバー(Exadata Storage Server)」と「HPオラクル・データベースマシン(HP Oracle Database Machine)」を発表。デジタルデータの急速な大容量化に対応する高性能のストレージ製品で、同社初のハードウエア製品となる。

「オラクルは、パートナー企業の協力を得てハードウエア事業に進出する」と宣言したエリソン氏は、「『データベースマシン』は、従来のストレージ機器を圧倒する新製品だ」と誇らしげに語った。

 業界統計によると、デジタルデータの容量は毎年2-3倍のペースで増加し、データにアクセスする個人や企業の数も加速度的に増加している。

 オラクルはHPとともに、数年間にわたってデータの大容量化に対応するハードウェア製品の開発に取り組んできた。

 エリソン氏によると、オラクルとHPの共同開発による新ハード機器は、大容量化や高速化の問題に対応するため、米半導体大手インテル(Intel)製のマルチコアプロセッサ2基にメモリを搭載し、各記憶装置ごとに「頭脳」を持たせた。

「頭脳」を持つ記憶装置は、大容量のデータがビジネスサーバーに送信され帯域幅を圧迫することを防ぐため、必要なデータのみを選別して送信する。

 オラクルが明らかにしたテスト結果によると、新製品の情報処理速度は、従来のシステムの10倍を越えるという。

「HPオラクル・データベースマシン」には「エクサデータ・ストレージ・サーバー」に加え、高速接続、高性能プロセッサを搭載したパッケージとして提供される。

 基本ソフト(OS)にオープンソースの「Linux」を使用した「エクサデータ・ストレージ・サーバー」Linux版は同日から、販売が開始された。米ソフトウェア大手マイクロソフト(Microsoft)のOS「Windows Vista」などを搭載した「エクサデータ」Windows版も、順次、提供を開始する予定だ。(c)AFP/Glenn Chapman