【9月19日 AFP】インターネットの権利保護を訴える米国の非営利団体は18日、裁判所の令状なしに「大量の違法な」電子メールと通話の傍受を行ったとして、ジョージ・W・ ブッシュ(George W. Bush)米大統領と政府職員らを訴えた。

 訴えを起こしたのは非営利団体「米電子フロンティア財団(Electronic Frontier FoundationEFF)」で、ブッシュ政権が「一般の米国民数百万人に対し違法な監視を行った」と主張している。

 EFFの弁護団は2006年、裁判所の令状なしに国家安全保障局(National Security AgencyNSA)の通信傍受に協力したとして、米通信大手AT&Tを訴えたが、米議会は今年、国内盗聴に協力した米通信関連企業を免責する法案を可決した。

 同法案をめぐっては、合憲性について論争が起き、AT&Tに対する訴訟だけでなく、その他の通信企業を相手取った多数の訴訟がこう着状態となっている。

 EFFの弁護団は18日会見し、今回の訴訟は政府を相手取ったもので、企業の免責をうたった法律には抵触しないと語った。

 EFFの上級弁護士ケビン・バンクストン(Kevin Bankston)氏は、「今回の訴訟の目標は、AT&Tに対するのと同様で、この無差別的な監視プログラムをできるだけ早く廃止に追い込むこと」と語り、「NSAは、長年にわたって、AT&Tの国内ネットワークや顧客記録のデーターベースから、大規模かつ違法に情報を探り出していた」と非難した。(c)AFP/Glenn Chapman