【8月29日 AFP】英国のデータ処理企業メールソース(Mail Source)は26日、同社社員が銀行の顧客100万人分の個人情報が保管されているコンピューターを、誤ってインターネット競売大手イーベイ(eBay)で売却したことを明らかにした。現在、緊急調査を進めているという。

 個人情報は、問題のコンピューターをイーベイで35ポンド(約7000円)で落札したオックスフォード(Oxford)在住のITマネジャー、アンドルー・チャップマン(Andrew Chapman)さんが、コンピューターのハードディスクから発見した。

 英インディペンデント(Independent)紙によると、情報には、アメリカン・エキスプレス(American Express)、ナショナル・ウエストミンスター銀行(National Westminster BankNatWest)、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(Royal Bank of ScotlandRBS)などの顧客100万人分の口座番号、電話番号、(パスワードを忘れた際に個人認証に使うことが多い)母親の旧姓のほか、サインも含まれていたという。

 メールソース広報は、事件はコンピューターをイーベイに出品した社員個人による「純粋なミス」で、同様の事例は他には起きていないと弁明した。イーベイも過去に同様の事例はないはずだとしている。

 メールソースの親会社グラフィックデータ(Graphic Data)は、銀行や金融機関向けに金融データの保管サービスを提供している。

 英国では大規模な個人情報流出事件が相次いでいる。前年11月には政府が児童手当の給付を受けた約2500万人の個人情報が入ったCDを紛失したと発表。1月には国防省が、軍の入隊希望者約60万人分の詳しい個人情報が保存された海軍士官のラップトップコンピュータが盗まれたと発表した。(c)AFP