【7月30日 AFP】米インターネット検索大手グーグル(Google)の元社員らが28日、新しいインターネット検索エンジン「Cuil(クール)」を立ち上げ、運営を開始した。
 
 Cuilの設立者には、元グーグル社員のアンナ・パターソン(Anna Patterson)氏、ラッセル・パワー(Russell Power)氏、ルイス・モニエール(Louis Monier)氏らが名を連ねている。パターソン氏とパワー氏は、グーグルの大型検索インデックス「TeraGoogle」の開発に携わった経歴を持ち、モニエール氏は検索エンジンの設計を専門とする。

 パターソン氏らは、Cuilの検索の質と量がグーグルの機能を上回ると主張。かつての職場に挑戦状を突きつける形となった。Cuilのウェブサイトには次のようなコメントが掲載されている。「インターネットは日々、拡大し、また複雑化している。われわれが開発した新しいアーキテクチャとアルゴリズムは、その急激な拡大に対応し、膨大で複雑な検索結果を適切に表示できる」

 グーグルでは、ヒット数が少ない無名のウェブサイトが検索結果に反映されないと報じられているが、Cuilではそうしたサイトも含めて1200億件のウェブサイトが検索できるという。

 一方、グーグルは25日、同社の検索エンジンの総インデックス数が1兆件を超えたと発表。Cuilの立ち上げ前に「先制攻撃」を行った。「グーグルの検索結果は他のいかなる検索エンジンよりも最も広範にわたっている。同社の目標は常に世界中のデータを網羅することだ」と同社は述べている。

 インターネット検索市場シェアの60%以上を占めるグーグルの社名は、「インターネット検索をする」という動詞として使われるほど、一般社会に浸透している。グーグルはインターネット文化の一部として確固とした地位を確立しているため、追い落としは難しいと一部の専門家はみている。(c)AFP

検索エンジン「Cuil」のウェブサイト