【7月27日 AFP】米検索大手グーグル(Google)が、ネット上のコミュニティ内でユーザーが作りあげていくオンライン百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」と同様の方式で競合する独自版のサイト「Knol(ノル)」を23日から開始した。
 
「Knol」は「知識の集合体」という意味を込め、英語の「知識(knowledge)」にちなんで命名された。

■ウィキペディアとの最大の違いは執筆者システム

 どちらも無料のサービスだが、世界の閲覧者数ランキングで常に上位に挙がるウィキペディアが、すべてのユーザーに編集・改変を許可し、誤りや誤解を与える記事があった場合には、正しい情報を持つユーザーが訂正してくれることに依存しているのに対し、「Knol」は著者を定め、本人のみにそうした権限を認める。

「すべてのノル(knol)に著者、あるいは複数の著者による執筆陣を置き、記事の最後には彼らの署名を掲載する」グーグルのプロダクト・マネージャー、セドリック・デュポン(Cedric Dupont)と、ソフトウェア・マネージャーのマイケル・マクナリー(Michael McNally)氏は語る。「各記事は彼らのノルであり、声であり、意見である。人々の頭の中には莫大な量の知識が詰まっている。有益なことを知っている人たちは何百万人といるし、そうした知識から何十億人もが恩恵を受けることができるだろう」

■個人的な事柄や生活の知恵も項目化が可能

 ユーザーは自分の写真などを掲載することもできる。また読み手の側は誰が掲載したのかを把握できる。

 開設から一夜明けた24日に閲覧可能となった項目の大半は、さまざまな疾患の病状を扱ったものだったが、中にはトイレの詰まりをとる方法や、リーダーシップを磨く方法といった項目もあった。

 米カリフォルニア(California)州を拠点とするグーグルは、検索エンジンとして世界で最大の利用者数を抱える。インターネット上で情報を探したり無料ウェブサービスを利用するユーザーをターゲットとするオンライン広告によって収益を発掘する巧みさは証明されている。ウィキペディアのユーザーを引き付けることができれば、新たな広告収入源が約束されるともいえる。(c)AFP

グーグルの「Knol」のページ