【6月23日 AFP】米マイクロソフト(Microsoft)は現在、世界屈指の大企業となり、OS「Windows」と「マイクロソフト・オフィス(Microsoft Office)」という2大製品の成功により、コンピューター・ソフト市場で比肩するもののないグローバル・リーダーとなった。

 1975年にビル・ゲイツ(Bill Gates)会長がマイクロソフトを設立して以来、同社は「技術革新のチャンピオン」とみなされてきた。創立者のゲイツ氏は6月27日に引退し、スティーブ・バルマー(Steve Ballmer)最高経営責任者(CEO)に後を託す。

 マイクロソフトの現在の課題は、米インターネット検索大手グーグル(Google)との競争が過熱化しているオンライン広告市場だ。グーグルは前年、数種類の無料インターネット・ソフトウエアの提供を相次いで開始し、同市場におけるマイクロソフトの寡占状態に激しい攻勢を仕掛けている。

■マイクロソフトの創立

 マイクロソフトは1975年4月4日、ビル・ゲイツ氏とポール・アレン(Paul Allen)氏によって創立された。本社所在地は米北西部ワシントン(Washington)州レドモンド(Redmond)。現在104か国に拠点を置き、全世界での従業員数は8万人、うち60%が米国内で勤務している。

■事業分野ほか

 マイクロソフトのOS「Windows」は全世界のパーソナル・コンピューターの90%以上、10億台近くのパソコンで利用されている。「ワード(Word)」や「エクセル(Excel)」などのソフトをパッケージにした「マイクロソフト・オフィス」も世界のオフィス向けソフトウエア市場の約90%を支配している。

 その他の分野では、ポータルサイトと検索エンジンを含む「MSNインターネット(MSN Internet)」サービス、ウエブサイトと連動したニュース専門放送局「MSNBC」、百科事典エンカルタ(Encarta)オンライン版などを提供するほか、IT関連機器分野でも独自のマイクロソフト・マウスから携帯音楽プレーヤー「Zune」、同社にとって世界的ヒットの一つとなったゲーム機「Xbox」などを開発している。

 マイクロソフトは過去何度も、独占禁止法違反で訴えられてきた。欧州委員会(European Commission)は独占禁止法にあたるEU競争法に違反したとしてマイクロソフトに対し、2004年3月に是正措置と記録的な制裁金4億9700万ユーロ(約830億円)の支払いを命じ、2007年9月には欧州第1審裁判所(European Court of First InstanceCFI)が欧州委のこの決定を支持している。

■株式

 1986年3月13日に株式公開。現在の株式時価総額は、米企業第3位の2700億ドル(約29兆1400億円)で、競合するグーグル、IBM、アップル(Apple)などをはるかにしのぐ。

 2006-07年度には売上高511億2000万ドル(約5兆5200億円)、純利益140億7000万円(約1兆5200億円)を計上。今期売上目標は600億ドル(約6兆4700億円)。(c)AFP