【2月23日 AFP】米ソフトウェア大手マイクロソフト(MicrosoftMS)の幹部は22日、インターネット検索大手ヤフー(Yahoo)の買収提案について説明した電子メールを社員に送信した。

 電子メールを送信したのは、MSのプラットフォームや事業サービスなどを統括するケビン・ジョンソン(Kevin Johnson)氏。買収の見通しや買収後の社風および人的資源なども含めた「進展中のプロセスの見通し」について社員に説明した。

「わが社はヤフー取締役会、経営陣、株主、従業員と、今回の買収提案の価値およびその戦略的・経済的利点について、建設的な対話を期待している。ヤフーとMSがいったん買収提案に合意すれば、規制を見直しながら合併へ向けた計画を始めることになる」(ジョンソン氏)

 ジョンソン氏によると、ヤフーが買収提案に合意すれば今年後半中に買収が完了する見通しだという。

■ヤフーは他社との提携を模索、株主はMS提案拒否について同社を提訴

 報道によると、ヤフーは現在、MSの買収阻止に向け、同業のグーグル(Google)、米タイムワーナー(Time Warner)のインターネット部門アメリカオンライン(American OnlineAOL)、ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏率いるメディア大手ニューズ・コーポレーション(News Corp.)が保有するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)・マイスペース(MySpace)などとの提携を模索している。

 一方、ミシガン(Michigan)州デトロイト(Detroit)の労働者年金基金は同日、MSの買収提案を拒否したのは株主に対する背任行為として、ヤフーに対し民事訴訟を起こした。カリフォルニア(California)州の一部のヤフー株主も、株価がもっと高かった時期にMSの買収提案に合意しなかったとして、間もなく同社を提訴する見通しだ。

■合併後の見通し

 MSのジョンソン氏は、合併による雇用削減がないとは明言していないものの、ヤフー買収による人員増を吸収できるとした上で、合併後は社員にかなりの報酬と保障を与えると言明した。

 同氏はまた、MSの堅苦しい社風が、カリフォルニア的なゆったりとして自由なヤフーの社風と衝突するのではないかとの憶測についても一蹴した。同氏によると、ヤフーのシリコンバレー(Silicon Valley)の拠点はそのままにするという。MSの拠点はワシントン(Washington)州レッドモンド(Redmond)だが、シリコンバレーにも拠点を持つ。

■買収合意まではライバル

 ジョンソン氏は一方で、 「買収が合意に達するまでは、われわれはこれまで通りヤフーと競争していく必要がある」と述べ、買収提案が合意に達するまでは、MS社員にとってヤフー社員は仲間ではなくライバルだとくぎを刺している。(ジョンソン氏)(c)AFP/Glenn Chapman