【8月24日 AFP】大手広告会社電通(Dentsu)は24日、インターネット上の仮想空間「セカンドライフ」内に、仮想都市「バーチャル東京(Virtual Tokyo)」をオープンした。

「バーチャル東京」の中心地には競技場やスキーのジャンプ台も建設され、その周りには店舗やオフィスが立ち並び、実際の都市のような空間となる。電通は、仮想世界における企業参加を通じて、投資を回収して行くという。

 オープン初日には、25日から開催される世界陸上大阪大会を前に、東京放送(TBS)が運営する「仮想の陸上競技大会」が「バーチャル東京」で開催される。100メートル走、砲丸投げ、マラソンなどの競技が行われ、また、実際の世界陸上の映像も映し出される。

 総合プロデューサーを務めるキューエンタテインメント(Q Entertainment)代表取締役CCOの水口哲也(Tetsuya Mizoguchi)氏は、実際の東京には日本のポップカルチャーを一堂に集めた場所が存在しないため、「バーチャル東京」を「日本のポップカルチャーなどの文化を発信する場にしたい」と意気込みを語った。

 セカンドライフは、サンフランシスコ(San Francisco)に本社を構えるリンデンラボ(Linden Lab)社が運営し、これまで880万人以上が参加している。オンライン3Dの仮想世界で、実際のヒトや動物に代わるキャラクターがそこで生活し、社会活動からショッピングまで実社会と同様の生活ができる。

 こうした仮想世界は、市場調査の手段としたい多数の企業や建築などの専門家の注目も集めている。スウェーデンやモルディブなど一部の国は、すでに「大使館」も開設している。(c)AFP