【6月5日 AFP】アップル(Apple)は3日、音楽の再生やインターネット接続が可能な携帯電話機「iPhone」を29日から北米で発売すると発表した。

 OS Xが動作するGSM/EDGE対応のiPhoneは、通話機能だけではなく、携帯音楽プレーヤー「iPod」と同様のビデオ再生、音楽再生、写真再生などの機能を備える。3.5インチのタッチセンサー内蔵液晶ディスプレイと2メガピクセルのデジタルカメラも搭載する。

 アップルは1月の製品発表時から、北米での発売は6月としていた。iPhoneの開発にはマッキントッシュ(Macintosh)の次期OS「Leopard」の開発チームも投入され、同OSのリリースが延期されるなどの影響も出ていた。

 iPhoneが業界に旋風を起こすほどの革新的なデバイスとなりうるのか、あるいは高価ゆえに携帯端末「ブラックベリー(BlackBerry)」ほどの競争力を持たないのか、専門家らも判断が難しい状況だ。

 一方で、iPhoneについては、内蔵バッテリーの寿命が1年以内に切れてしまうなど、数々の問題が指摘されている。Enderle Groupのアナリスト、Rob Enderle氏も、「iPhoneには重大な欠陥があるとの噂が絶えなかった。アップルは株価への影響を気にしていた」と語った。

 こうした中、これらの欠陥を修正した「次世代iPhone」の製造に向けた動きが早くも本格化している。先ごろ、台湾のQuanta(広達電脳)が数百万台の次世代iPhoneを製造する契約を結んだと報じられた。同社は、年内の出荷を目指すという。

 iPhoneの価格は、4GB(ギガバイト)モデルが499ドル(約6万1000円)、8GBモデルが599ドル(約7万3200円)。iPhoneが使えるキャリアは、現在のところAT&Tのみだが、同社TにはiPhoneに関する問い合わせがすでに100万件以上寄せられているという。なお、欧州では今年中に、アジアでは2008年に発売される予定だ。