【9月19日 AFP】ロシアの沿岸警備隊は18日、北極圏のペチェラ海(Pechora Sea)で、国営エネルギー大手ガスプロム(Gazprom)所有の石油プラットフォームによじ登った国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)の活動家2人を逮捕した。

 2人の活動家は警備隊による威嚇射撃を無視し、同社による海底油田の掘削に抗議していたと、当局とグリーンピース双方が認めている。

 グリーンピース側の声明によると、活動家たちは夜明け前、同団体所有の母船「アークティック・サンライズ号(Arctic Sunrise)」からゴムボートに乗って出発し、ガスプロムのPrirazlomnaya掘削装置へ向かった。放水を受けながらも、自分たちの体をプラットフォームにロープで結びつけて登り始めたが、その後逮捕、拘留されたという。

 また、グリーンピースの母船は沿岸警備隊から11発の威嚇射撃を受けたとしている。母船はその場にとどまり続けたが、グリーンピース側は「平和的な抗議」に対する不相応な実力行使だと当局を非難している。

 ロシア連邦保安局(Federal Security ServiceFSB)も声明で、活動家たちに「違法な活動」を止めるよう警告したが拒絶されたため、警備隊がAK-74アサルトライフルで威嚇射撃を行ったと発表した。FSBはまた、母船にも走行を停止するよう命じたものの拒絶されたため、別に4度砲撃したと述べている。

 グリーンピースは2012年8月にも、クミ・ナイドゥ(Kumi Naidoo)事務局長を先頭に同じ施設で、同様の抗議行動をしている。グリーンピース側は、付近にはホッキョクグマやアザラシの生息地となっている3か所の自然保護区があるが、ガスプロムは2014年からこの掘削施設での生産を予定しており、生産が開始されれば原油流出の危険性が高まると主張している。(c)AFP/Stuart WILLIAMS