【7月4日 AFP】2001年からの10年間の世界平均気温は、観測史上最高を更新したことが、国連(UN)が3日に発表した報告書で明らかになった。同期間中の気温上昇はかつてない速さで進み、異常気象による犠牲者は37万人を超えたとされている。

 国連の世界気象機関(World Meteorological OrganizationWMO)が発表した2001~10年の世界気象に関する報告書によると、同期間の世界平均気温(陸上気温・海面水温の平均)は14.47度だった。

 一方、1881年から残る気象観測記録の長期平均気温は14度で、WMOのミシェル・ジャロー(Michel Jarraud)事務局長は「2001~10年は、この期間全体で最も暑い10年だった」と述べている。

 2001年から10年間の世界平均気温は、その前の10年間と比べて0.21度上昇した。1990年代の世界平均気温は、1980年代よりも0.14度高かった。

 地球の温暖化は、二酸化炭素(CO2)に代表される温室効果ガスの産業活動による排出など、人間の活動が原因とされている。

 WMOの報告書は、139か国で行われた調査に基づいている。これらの国の94%近くが、2001~10年を観測史上最も気温が高かった10年間と記録している。また、同期間内に全国平均気温の最高記録を更新した国は44%に上った。

 WMOによると、この期間に最も頻発した異常現象は洪水で、2010年にはパキスタンで2000人の死者を出し、2000万人が被害を受けたとされる。

 同期間中の異常気象関連の死者数は、その前の10年間を20%上回り、37万人を超えた。主として2003年に欧州、2010年にロシアを襲った熱波によるもので、それ以前の10年間では6000人だった熱波による全世界の死者数は、2001年からの10年間では13万6000人に膨れあがった。(c)AFP/Jonathan FOWLER