【5月29日 AFP】キャッサバは非常に大きな可能性を持っており、環境に優しい新しい農業モデルに沿って栽培すれば「貧しい人々の食べ物から21世紀の農作物」になる可能性があるとの報告書が28日、国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganizationFAO)から発表された。

 FAOは報告書の中で、全世界でのキャッサバの生産量は2000年から60%増加しており、この生産量は最大400%伸ばすことが可能として、キャッサバは「非常に大きな可能性」を持っていると指摘している。

 秘訣(ひけつ)は、「節約して栽培する」農法を採用することだ。この農法では、農薬の使用をやめ、すきで地面を掘り起こすなどの伝統的な耕作法による土壌のかく乱を最小限に抑える。また、混作や輪作が奨励される。

 FAOによると、ベトナムでの試験栽培では、生産量が8.5トンから36トンに増加したという。また、アフリカのコンゴ民主共和国(旧ザイール)や南米コロンビアでもキャッサバは「目覚ましい成果」をもたらしている。

 FAOはまた、キャッサバの栄養価を強調している。根は炭水化物が豊富で、葉にはタンパク質、鉄分、カルシウム、ビタミンA、ビタミンCなどが含まれている。根や葉以外の部分は、動物の飼料として使用できる可能性がある。キャッサバで飼育した家畜が耐病性に優れていることを示す証拠もある。

「節約して栽培する農法によって、発展途上国は、さらに高い収量を産むキャッサバの可能性を実感し、飢餓と農村の貧困を軽減すると同時に、持続可能な(農作物生産の)強化が達成されないリスクを回避することができる」と報告書は述べている。(c)AFP