【12月20日 AFP】南アフリカ政府は19日、アジア地域の闇市場でサイの角の需要が増加し続けていることを受け、同国内では今年、少なくとも633頭のサイが密猟によって殺され、過去最悪の被害になったと発表した。

 密猟によって殺されたサイは2007年には年間13頭だったが、10年には333頭、11年には448頭に上り、被害は急増している。密猟への関与による逮捕者は今年、266人に達した。アジア地域でサイの角に薬効があるといわれてきたことが原因だが、実際にはその効果は疑わしいとされている。

 殺されたサイの60%以上は、サファリツアーで人気が高い南ア最大規模の野生保護区、クルーガー国立公園(Kruger National Park)に生息していた。保護区のレンジャーらによると、年末までにさらに20頭ほどが被害に遭う可能性があるという。なお、世界の野生のサイの約40%は、この公園に生息している。

 アフリカ地域で確認されているのはシロサイとクロサイのみで、野生のクロサイの個体数は合わせて5000以下とされており、環境活動家らは、絶滅の危機に近づいていると警告している。(c)AFP