【11月9日 AFP】南太平洋に浮かぶニュージーランド領の小さな島しょ群トケラウが、このほど世界で初めて、全電力を太陽光発電のみでまかなうシステムを導入した。

 米ハワイ(Hawaii)とニュージーランドのちょうど中間あたりに位置するトケラウは3つの環礁からなり、人口は1500人。電力はこれまでディーゼル発電に頼っていたが、環境への負苛が大きいだけでなく、遠く洋上まで燃料を運ぶコストが年間100万NZドル(約6500万円)もかかり財政上の負担となっていた。

 ソーラー化プロジェクトを手掛けたニュージーランドの太陽エネルギー企業、パワースマート・ソーラー(PowerSmart Solar)のマイク・バセットスミス(Mike Bassett-Smith)氏は7日、ディーゼル燃料購入に充てていた予算を社会福祉に回すことができると説明。「トケラウにとって、健康で安心な生活を続けるためにとても重要な画期的な出来事」との声明を発表した。

 また、ニュージーランドのマレー・マカリー(Murray McCully)外相は、総工費700万米ドル(約5億6000万円)のトケラウ太陽光発電プロジェクトを「世界初の偉業」と称賛。「予定通りの工期と予算内で達成した。南太平洋の小国でも持続可能エネルギー分野を主導できることを示した素晴らしい事例だ」と評価し、トンガやクック諸島などとも持続可能エネルギー開発で協力していくと語った。(c)AFP