【10月8日 AFP】太平洋やインド洋でサンゴ礁を壊滅させる原因となっているオニヒトデを効率よく駆除する方法を発見したと、豪大学の研究チームが8日、発表した。

 豪クイーンズランド(Queensland)州にあるジェームズクック大学(James Cook University)サンゴ礁研究センター(Centre of Excellence for Coral Reef Studies)のチームは、オニヒトデが保有するバクテリアに感染し、最短24時間でヒトデを死に至らしめる培養物を作成したという。今後、他の海洋生物に対する安全性を確認する予定だ。

 オニヒトデはサンゴのポリプ(サンゴ虫)を食べ、サンゴを死滅させてしまう。前週発表された研究によると、世界遺産の世界最大のサンゴ礁「グレートバリアリーフ(Great Barrier Reef)」では過去27年間に半分以上のサンゴが死滅したが、その42%はオニヒトデの大量発生によるものだとされる。

 オーストラリア近海の観光地では現在オニヒトデ1匹ずつにダイバーが毒物を注入するという駆除方法を取っているが、今回見つかった培養物は感染した個体に接近・接触した他のヒトデにも感染が広がっていくため、1回のダイビングで1匹に注入すれば最大500匹ほどを駆除できるようになるという。(c)AFP