【9月18日 AFP】180度回転する家など、近未来的なデザインを駆使したソーラー住宅のコンテストが、スペインの首都マドリード(Madrid)で開かれ、世界各国の大学チームによる19の住宅が建設された。

 マドリード西部にある大型公園カサデカンポ(Casa de Campo)には、ソーラーパネルが太陽光で輝く未来の小さな村が、日本、中国、ブラジル、エジプト、そしてヨーロッパ全土からの大学チームによって、10日間かけて出来上がった。

 ポルトガルチームの住宅は太陽光を追いかけて回転し、フランスチームの住宅は電気で移動する壁を持ち、日本チームの住宅は水田を備えている。

 これら住宅は、14日に始まった「ソーラー・デカスロン・ヨーロッパ2012(Solar Decathlon Europe 2012)」で、エネルギー効率、デザイン、快適性など10項目を15日間にわたって審査されている。その短い存続期間の中で、発電しつつ、天然資源の消費量が最も少なく、廃棄物の産出量が最も少ない住宅が勝者となる。コンテストは民間企業とスペイン政府によって後援され、参加チームに最高5万ユーロ(約510万円)の助成金が授与される。

 日本から出場した千葉大学のチームが作った住宅は、内部に畳を敷いた日本の伝統家屋風の外観だが、実際はロボットが製造した正確なユニットと、高効率の太陽光パネルのタイルで組み立てられている。また水田や果樹、つる植物なども備えている。

 同コンテストは米エネルギー省の後援で1999年に初めて開催された。前回は2010年にマドリードで開催され、20万人の来場者を魅了した。次回は2013年に中国で開催される予定だ。(c)AFP/Ingrid Bazinet