【5月1日 AFP】オーストラリア政府は30日、同国の一部地域でコアラを絶滅危惧種に指定する方針を発表した。

 オーストラリアのトニー・バーク(Tony Burke)環境相によると、今回絶滅危惧種に指定されるのは同国東部のニューサウスウェールズ(New South Wales)州とクイーンズランド(Queensland)州、首都キャンベラ(Canberra)周辺の首都特別地域(Australian Capital Territory)のコアラ。

 同環境相は「コアラはオーストラリアの象徴的な動物で、オーストラリアの社会にとって特別な存在だ」として、これらの地域では「生息数の減少が明らかに深刻なレベルに達しており、対策が必要だ」と述べた。

 バーク環境相は、生息地の減少や都市化の進展、交通事故、犬の襲撃、病気の流行によりコアラの生息数は深刻な脅威にさらされているが、生息数が過剰な地域も存在し、「ビクトリア(Victoria)州やサウスオーストラリア(South Australia)州の一部では本来の生息地以外の場所で餌を食べるコアラもおり、生息数を管理する必要がある」としている。

 タスマニア大学(University of Tasmania)の動物学者、クリス・ジョンソン(Chris Johnson)教授は、南北オーストラリアのコアラはもはや別の種と見なしてもよいほど分断されていると指摘し、今回の政府の措置は適切なものと評価している。(c)AFP