【3月28日 AFP】3月25日にカザフスタンの海岸でカスピカイアザラシ35頭の死がいが見つかり、同国政府と環境活動家らは27日、絶滅が危惧されるカスピカイアザラシの生息数について警鐘を鳴らした。

 カザフスタン政府は声明で「最近のカスピカイアザラシの減少は、人為的なものと、生息地であるカスピ海の環境変化が原因だ」と指摘した。

 発見された死がいは全て若いアザラシのもので、当局は現在死因を調査中だという。

 カスピ海はイラン、アゼルバイジャン、ロシア、カザフスタン、トルクメニスタンに囲まれており、地球上でカスピカイアザラシが生息する唯一の場所だ。

 国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)によると、カスピカイアザラシは1930年代から90%減少しており、絶滅危惧種に指定されている。

 カスピ海は閉鎖された生態系を持ち、カスピカイアザラシは他の場所へ移動することが出来ないため、生息地の環境破壊は特に大きな影響を及ぼす。100万頭いたカスピカイアザラシは、現在11万頭にまで減少している。(c)AFP