【2月8日 AFP】国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights WatchHRW)は7日、ナイジェリア北部ザンファラ(Zamfara)州の金鉱の違法採掘により、これまでに子供400人が鉛中毒で死亡、数千人の子供が緊急治療を必要としていると報告した。鉛中毒の拡散の度合いは、近現代史において最悪だという。

 汚染された多くの地域では、除染さえ始まっていない。HRWのリサーチャー、ジェイン・コーヘン(Jane Cohen)氏は、「緊急に必要とされているのは村の除染だ。除染には400万ドル(約3億円)ほど必要になるだろう」と述べ、ナイジェリア政府、ザンファラ州政府、海外の援助国が一致団結して鉛汚染の問題に取り組まなければならないと強調した。

■鉛汚染の経路

 HRWが2011年後半に行った現地調査では、鉱山で鉱石を扱う時、炭鉱労働者の家族が鉛ダストにまみれて帰宅した時、あるいは鉱石が自宅で砕石される時に、子供たちが鉛ダストを吸いこんでいることが分かった。また、汚染された水や食べ物を通じて有毒な鉛を摂取している可能性も明らかになった。

 ナイジェリア北部における鉛中毒の拡散は、2年前に明るみになった。国境なき医師団(Doctors Without Borders)によると、地元の集落は当初、当局が採掘を禁止することを恐れて集落ぐるみで鉛中毒の実態を隠し、死者が出たことなども否定していたという。

 貧しい農村では、農業よりも違法な金採掘の方が、もうかる職業となっている。(c)AFP

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