【2月2日 AFP】南アフリカ北部リンポポ(Limpopo)州ファラボルワ(Phalaborwa)の地方裁判所は1日、クルーガー国立公園(Kruger National Park)で2年前にサイの密猟容疑で逮捕されたモザンビーク人3人に対し、密猟と違法銃器所持で禁錮25年を言い渡した。

 3人は2010年7月、公園内で切断されたばかりのサイの角2本を所持しているところを発見され、逮捕された。3人はカラシニコフ自動小銃(AK-47)や散弾銃などの武器も携行していた。

 南ア国立公園管理局(South African National Parks)はAFPの取材に、「(サイの密猟に対する)南ア史上最も厳しい量刑を歓迎する」と述べた。横行する密猟に対し南ア当局は、特に世界的に有名でモザンビークと国境を接するクルーガー国立公園で取り締まりを強化しており、禁錮25年という重い量刑は密猟者に対する見せしめとなることを狙ったものだ。
 
 世界のサイの70%以上が生息する南アでは、密猟被害に遭うサイの数が2007年の13頭から、2011年には過去最多の450頭に急増した。背景には、薬として珍重されるアジアでの需要の高まりと、高度に組織化された密猟シンジケートの存在がある。その手法は、暗視ゴーグルを装着し高性能ライフルを携えた狙撃手を何人も配置させるというもので、ヘリコプターを動員して狙撃することもあるという。(c)AFP

【関連記事】
香港でサイの角33本押収、南アがDNA採取へ
南アで続くサイの密猟、史上最悪の341頭が犠牲に