【1月12日 AFP】パプアニューギニアの熱帯雨林で世界最小のカエルを発見したとする論文が、11日の米科学誌「プロスワン(Pubblic Library of SciencePLoS ONE)」(電子版)に発表された。体長は7.7ミリとコインよりも小さく、鳴き声も昆虫の羽音程度の大きさだという。

 発見された新種のカエル「Paedophryne amauensis」は、世界最小の脊椎動物とも考えられる。体は青白い斑点が付いたこげ茶色で、熱帯雨林に大昔から存在し、自分よりも小さい虫を食べ、自分よりも大きい動物に捕食されてきたと見られる。

 なお、8ミリ強とこれよりもやや大きい近縁種、「Paedophryne swiftorum」も発見された。

 これまでで最小の脊椎動物は、インドネシアに生息する体長8ミリの透明の魚「Paedocypris progenetica」だった。

 発見した米ルイジアナ州立大(Louisiana State University)のクリス・オースチン(Chris Austin)氏は、「これらのカエルが生物学的に変わり者というのではなく、これまで記録されてこなかった生態学的特徴を持つ種を象徴していると言える。ほかの脊椎動物が住まないニッチ(隙間)に暮らしているのだから」と話している。

 実際、交尾期のオスの鳴き声の頻度から判断すると、これらのカエルは地面に降り積もった葉っぱの下に、互いの距離がわずか50センチという短い間隔で生息していると考えられるという。(c)AFP