【12月1日 AFP】仏パリ(Paris)の名所エッフェル塔(Eiffel Tower)を植物で覆い、世界一の「巨大ツリー」を作る計画が進行中だと仏紙フィガロ(Le Figaro)が報じ、パリ市当局が否定に追われている。

 フィガロはこのほど、「エッフェル塔を緑化するクレイジーな計画」と題した記事で、仏工学集団ジャンジェ(Ginger)がエッフェル塔から60万鉢の植物を吊り下げる緑化プロジェクトを手がけていると報じた。計画は2年がかりで、事業総額は7200万ユーロ(約75億円)規模だと伝えている。植物を吊るした場合にかかる計378トンの負荷にエッフェル塔が耐えられるかどうかを測定するため、既に高さ数メートルの模型も作成済みだという。

 報道によれば、来年6月までに苗木を育て、土を詰めた袋に植え換えて、エッフェル塔の鉄骨部に麻のロープで取り付ける作業を2013年1月までに完了させる。その後1年をかけて植物を成長させ、16年7月に鉢を撤去する計画だという。水やり用に総重量12トンのゴムホースも取り付けるとしている。

 だが、エッフェル塔を管理するSETEは、「そのような計画が進んでいる事実は一切ない」との声明を発表。パリ市当局も11月30日、声明で報道内容を否定した。

 この騒ぎについて「エッフェル塔大統領」の肩書きを持つパリ市議のジャンベルナール・ブロ(Jean-Bernard Bros)氏は、「人々のアイデアを止めることはできない」とコメント。エッフェル塔の緑化計画に関して「耳にしたことはあるが、何も決定しておらず、事前調査さえも行われていない。他にもいろいろとアイデアはある。私のところには毎日のように、誰かがアイデアを持ち込んでくるよ」と語った。(c)AFP

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