【11月30日 AFP】世界気象機関(World Meteorological OrganizationWMO)は29日、2002~2011年は2001~2010年と並び、10年間の世界平均気温が過去最高になるとみられるという報告書(暫定版)を発表した。WMOは「地球温暖化が現実の問題であることを示す何よりの証拠」と、警鐘を鳴らしている。

 気候の傾向と異常気象に関するこの報告書は、南アフリカ・ダーバン(Durban)で開催中の国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)第17回締約国会議(COP17)で発表された。

 それによると、正確な記録が残っている1850年以降で世界平均気温が最も高かった年の上位13位は過去15年間に集中していた。また2011年の世界平均気温は1850年以降で10番目に高かった一方、2001~2010年の平均気温を報告した国の中で、1961~1990年の平均気温を下回った国は1つもなかった。

 報告書は、大気中の温室効果ガスの濃度は過去最高のレベルに達しており、世界平均気温を2~2.4度押し上げる水準に急速に近づきつつあるとしている。科学者たちの間では、世界平均気温が2.0度を超えて上昇すると、陸地と海の広い範囲で取り返しのつかない変化が起こりうると考えられている。

 WMOのミシェル・ジャロー(Michel Jarraud)事務局長は声明で、人間の活動によって温暖化が進んでいることが科学的に証明されたとの見解を示し、政策立案者は今回の結果に留意する必要があると指摘した。

 WMOのR・D・J・レンゴアサ(R.D.J. Lengoasa)事務次長は、「気候変動の最悪のシナリオを回避するための緊急行動が必要だ」と訴えた。(c)AFP/Marlowe Hood