【10月29日 Relaxnews】サメ保護の立場からふかひれスープ反対を唱える人々に、強力な同士が加わった。米カリフォルニア(California)に加え、カナダのトロント(Toronto)も、ふかひれの消費を禁止する条例を導入したのだ。

 高級中華料理のふかひれスープは、富の象徴として結婚式には欠かせない一品。だが、今後、トロントのレストランでふかひれスープを食する機会はなくなる。

 トロントは、カナダ最大の都市であるとともに、同国で最も中国系人口が多い都市だ。カナダ統計局(Statistics Canada)の最新データによると、トロントの中国系人口は28万3075人で、トロント人口の11%を占めている。

 当然ながら、中国系コミュニティやビジネス団体などは、ふかひれ禁止の決定に反発している。他の国々と同様に、彼らも伝統を侵害されたと感じているのだ。

 これに対し、動物愛護団体や環境活動家らは、ふかひれ漁は残酷で非道な慣習だと主張。ひれを切り取られサメは、海に戻され、そのまま死んでいくと指摘している。

 サメの保護運動に取り組むNGO「シャーク・トゥルース(Shark Truth)」によると、ふかひれスープのためだけに毎年7300万匹のサメが殺され、近年には個体数が最大90%も減少しているという。

 ふかひれ禁止を決めた都市は、オンタリオ(Ontario)州ではトロントが4番目。同市のふかひれ禁止運動には、中国系の議員も1人、加わっていた。

 米国でも、ハワイ(Hawaii)、オレゴン(Oregon)、ワシントン(Washington)州に加え、今月初めにはカリフォルニア州がふかひれ禁止を決めている。  

 一方、ふかひれスープの本家、中国でもプロバスケットボールのスター選手だった姚明(Yao Ming、ヤオ・ミン)氏と英ヴァージン(Virgin)グループのリチャード・ブランソン(Richard Branson)会長が前月、ふかひれ貿易の禁止を訴える運動を上海(Shanghai)で展開している。(c)Relaxnews/AFPBB News