【9月22日 AFP】3月11日の東日本大震災から約2週間後、米カリフォルニア(California)州北部で収集した雨水から低レベルの放射性物質が検出されたもののすぐ通常値に戻ったと、米研究チームがオンライン科学誌「PLoS ONE」で発表した。

 雨水の観測は、米エネルギー省と国土安全保障省が出資し米カリフォルニア大学バークレー校(University of California at Berkeley)原子力工学科のエリック・ノーマン(Eric Norman)教授が主導した実験で行ったもの。3月16日から26日の間にサンフランシスコ(San Francisco)の湾岸地域バークレー(Berkeley)、オークランド(Oakland)、アルバニー(Albany)で収集した雨水から、放射性物質のセシウム、ヨード、テルルを検出した。

 ノーマン教授によると、3月18日に最初の雨水サンプルを調査したところ、放射性レベルの上昇が確認された。放射性レベルは24日にピークに達した後、通常値に戻ったという。

 研究チームは、同州オークランド(Oakland)の雑草や、サンフランシスコ湾岸地域で販売されている野菜、牛乳のガンマ線計測も行った。その結果、牛乳などから雨水で検出されたものと同じ核分裂生成物が検出されたが、人体に害を及ぼすレベルではなかったという。(c)AFP