【9月21日 AFP】英出版大手ハーパーコリンズ(HarperCollins)が発売した世界で最も権威ある地図帳とされる「タイムズ世界地図帳(The Times Comprehensive Atlas Of The World)」第13版をめぐり、グリーンランドの氷床が縮小されたことに関して論争が沸き起こっている。

 ハーパーコリンズは、グリーンランドの氷床を1999年の第10版から15%縮小し、海岸線をより緑色に表示した。

 同社は科学者らの反論を受け、広報資料を発行した。その中で、15%という数字は正しくなかったと認めたものの、新しい地図は正確であると強調。さらに、新たにむき出しになった土地は「青々としており、氷がない」と主張し、「気候変動がいかに地球の地形を加速度的に変えているかを示す具体的証拠だ。氷床が縮小した原因は第一に地球温暖化だが、綿密な研究ではるかに正確なデータが手に入るようになったこともある」と述べた。

 英ケンブリッジ大(University of Cambridge)スコット極地研究所(Scott Polar Research Institute)の専門家らは、地図そのものも疑問視しており、「グリーンランドの最新の衛星画像によれば、地図上で氷がない場所にも氷河と恒久的な氷床が厳然として横たわっている」と公開書簡で反論した。(c)AFP