【7月14日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は13日、大手スポーツブランド「アディダス(Adidas)」や「ナイキ(Nike)」が製造を委託している中国の2工場から、人体に有害な化学物質が長江(揚子江、Yangtze River)と珠江(Pearl River)に排出され、川の水を汚染していると報告した。

 グリーンピースによると、問題の工場は揚子江と珠江のデルタ地帯にある2工場。排水を採取したサンプル8点から、ノニルフェノールやフッ素化合物など「複数の有害化学物質」が検出されたという。これらの化学物質は、素材への汚れの付着を防ぐなどの用途で使われているという。

 これらの化学物質は、魚介類を通じて生物濃縮され、低濃度でも人体のホルモンバランスを崩す危険性があり、欧州諸国では規制されている。

 グリーンピースによれば揚子江と珠江のデルタ地帯は、住民6700万人の水源となっている。問題の2工場では、中国国内ブランドのほかアディダスやナイキの製品を製造している。AFPの取材に対し、アディダスからは回答が得られなかったが、ナイキは汚染には関与していないとしてグリーンピースの指摘を否定した。(c)AFP