【6月24日 AFP】未回収のゴミが路上に放置され社会問題となっているイタリア・ナポリ(Naples)のルイジ・デ・マジストリス(Luigi De Magistris)新市長は23日、市内のゴミ収集車を武装警察部隊に護衛させると発表した。マフィアが同市のゴミ問題を扇動し、市民の健康を脅かしているためという。

 ナポリは、国内外で活動する犯罪組織「カモラ(Camorra)」の本拠。カモラは麻薬の密売のほか、建設業や貿易業、廃棄物処理業にまで介入し利益を上げている。

 マジストリス市長は報道陣に対し、「環境・健康被害は深刻だ。ゴミへの放火がさらに状況を困難にしている」と述べ、当面30日間にわたってゴミ収集車を護衛するよう警察に命じたことを明らかにした。

 前月の市長選でシルビオ・ベルルスコーニ(Silvio Berlusconi)首相率いる与党「自由国民(People of Freedom)」の候補を破って当選したマジストリス市長は、ゴミのリサイクルを推進し廃棄物処理を通じた犯罪組織への資金の流れを断ち切る「環境改革」を提案しており、カモラと対立している。同市長はまた、長引くゴミ問題で支援を怠っているとして、ベルルスコーニ首相と政府も非難している。(c)AFP

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