【6月10日 AFP】オーストラリアで、二酸化炭素(CO2)削減取り組みの一環として、野生のラクダの殺処分が検討されている。

 オーストラリアの野生ラクダは、19世紀に入植者が連れてきたラクダが野生化したもの。現在、アウトバック(Outback)と呼ばれる豪大陸内部の砂漠を中心とする辺境地帯を徘徊する数は、120万頭にも上る。

 これらのラクダらが草原を食べ尽くして植生が失われるなどの害を考慮すると、ラクダ1頭につき年間平均で、CO21トンに匹敵するメタンを算出している計算になり、同国の大きな温室効果ガス排出源になっているとみなせる。

 こうした状況を背景に、アデレード(Adelaide)の広告会社ノースウエスト・カーボン(Northwest Carbon)が提案したのが、ラクダの殺処分案だ。気候変動・エネルギー効率化省が9日公開した諮問書の中で提示された同社の提案によると、ヘリコプターからラクダを射殺するか、群れをまとめて食肉処理場へ送り、食用やペットフードに加工する。

 ノースウエスト・カーボンのティム・ムーア(Tim Moore)社長は、豪通信社AAPに対し、「わが国は創意工夫に富む国民の集まり。問題があっても革新的な解決方法を見出す。(ラクダの殺処分は)そうした伝統の一例だ」と語った。

 発電は火力中心、輸出は鉱山資源に大きく頼っているオーストラリアは、国民1人当たりの温室効果ガス排出量が世界でも最も多い国の部類に入るが、政府は方針の転換を模索しており、農業・林業従事者や土地所有者などが排出削減のアイデアを考案した場合、新たな経済的機会を与えることを検討中という。

 ラクダの殺処分案が含まれたイニシアチブは次週、議会で審議される予定。(c)AFP