【8月1日 AFP】エクアドル政府は7月31日、国立公園内の埋蔵石油を採掘しない代わりに、開発すれば見込めるであろう収入の見返りとして補償金として受け取ることで国連開発計画(United Nations Development ProgrammeUNDP)と合意した。エクアドル外務省によると、両者は3日に協定に調印する。

 先住遊牧民が今も暮らすエクアドルのヤスニ(Yasuni)国立公園の地下には、約8億4600万バレルの原油が埋蔵していると推定される。この原油を採掘しない見返りとして「採掘中止料」を求める取引は、新興国が環境保護政策を進める「補償」として、07年に同国のラファエル・コレア(Rafael Correa)大統領が提案した。ヤスニ公園の環境を保全することで、二酸化炭素(CO2)約4億1000万トン分を排出せずに済み、地球温暖化の抑制に貢献できると同大統領は主張している。

 交渉の過程での焦点はエクアドルが受け取るべき補償額となった。コレア大統領は、保護地区内にあると推定される原油価値を換算した額のほぼ半分にあたる35億ドル(約3000億円)を下限とし、少なくともそれ以上を要求していた。エクアドルの複数の政府関係者は今年1月、AFPに対し、ドイツやスペインなどの国が15~17億ドル(1300億~1500億円)を拠出する意向を示したと語っていた。(c)AFP