【6月10日 AFP】世界の3つの大陸で過去10年の間にヘビの生息数が激減していることが確認され、共通して気候変動が大きな要因であることが、9日発表された研究で示された。

 観察された8種類のヘビは、生息する地域が異なるにもかかわらず共通して、元に生息していた数の3分の1にまで減るという激減傾向を示していた。

 原因としては生息地の減少や環境汚染、病気、えさ不足、食用にするためなどの乱獲などが挙げられる。しかし、地球上の異なる地域で同じ短期間のうちに一様に減少しているとことから、報告は「根本には共通原因として、ひとつの広範な現象があると思われる」と気候温暖化の影響を指摘している。
 
 英国王立協会(British Royal Society)の専門誌「バイオロジー・レターズ(Biology Letters)」に掲載された同報告によると、英国、フランス、イタリア、ナイジェリア、オーストラリアの17種類のヘビのうち11種類の生息数が、1990年代後半からの4年間で3分の1に激減し、それ以後10年近くが経過した後もいっこうに生息数が回復する兆しがないという。

 は虫類の中でもヘビは生態系の上位に位置する生物であるため、ヘビの激減は生態系のさまざまな部分に深刻な影響を及ぼしかねない。

 これ以前の研究では、特に地中海沿岸など一部の地域で、一定の種類のヘビが減少していることが明らかにはなっていた。しかし今回の研究では初めて熱帯地域のヘビも危機にさらされていることが示された。(c)AFP