【5月26日 AFP】気候変動でエベレスト登山の危険度が増している――世界最高峰エベレスト(Mount Everest、8848メートル)登頂の世界最多記録を保持するネパール人登山ガイドのアパ・シェルパ(Apa Sherpa)さん(50)は警鐘を鳴らしている。

 自身の記録を更新する20回目のエベレスト登頂を4日前に達成したばかりのシェルパさんは、ネパールの首都カトマンズ(Kathmandu)で25日、AFPの取材に対し、今回の登頂で気候変動がエベレストにもたらした変化を目の当たりにし、心が傷んだと話した。「山の斜面は雪がなく岩肌がむき出しで、アイゼン(滑り止め用の爪)付きの登山靴では非常に困難だった」

 さらに、「このような状態の登山ルートは、全ての登山者にとって非常に危険だ」と懸念を示した。

 シェルパさんは、ヒマラヤ山脈における気候変動の影響に関心を持ってもらうことなどを目的としたエベレスト清掃登山のガイド役を務めており、これまでに4.8トンのゴミを回収している。

 ネパールの登山管理当局によると、今シーズンは約250人の登山家が南ルートからエベレストを目指した。だが、大雪により春の登山シーズンは通常より早く終了したという。

 エベレストのベースキャンプからAFPの電話インタビューに応じた登山管理当局者は、通常なら春の登山シーズンは5月末ごろまでだが、23日から天候が悪化したため、早めにシーズンを終了したと説明した。今シーズン中に新たにエベレスト登頂を計画している登山隊はいないという。(c)AFP/Sophia Tamot(c)AFP/Sophia Tamot