【5月14日 AFP】地球温暖化のため、2080年までに世界に生息するトカゲの5分の1が絶滅する恐れがあるという研究結果が14日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

 一般的にトカゲは日光を好むと考えられているが、トカゲの種の多くは高温は苦手で、餌探しなどの活動が鈍ってしまう。

 トカゲの分布に関する世界規模の研究を行った生物学者のチームは、気候変動がもたらす変化にトカゲは特に弱く、驚異的な割合で激減していると警告した。

 トカゲは鳥やヘビの餌となる一方で、昆虫を旺盛に捕食するという食物連鎖における重要な役割の担い手であるため、トカゲの生息数の減少は生態系全体を壊滅させる惨事となりかねない。

■温暖化以外の要因はないと結論
 
 研究に加わった米カリフォルニア大学サンタクルス校(University of California at Santa Cruz)のバリー・シネルボ(Barry Sinervo)教授(環境学、進化生物学)によると、チームが作成した絶滅予測モデルでは、2050年までに世界のトカゲの種の6%が、2080年までに20%が絶滅するとの予測が得られた。

 このモデルの有効性と、温暖化が原因であることを示すために多くの検証を行ったが、「生息環境の喪失による絶滅はなかった。生息地の多くは国立公園や自然保護区の中で荒らされてはいなかった」。研究者たちはトカゲの急激な減少の要因は温暖化以外はないと、ほかの要因を退けた。

 以前に作成した5大陸別のトカゲの絶滅予測モデルは精確で、最初にトカゲの絶滅がみられたのがフランス、続いてメキシコだった。メキシコではトカゲの数は12%減ったと推定されている。(c)AFP