【3月21日 AFP】米国で販売を禁止されている鯨肉をすしネタとして提供し、米連邦検察当局に訴追されていたカリフォルニア(California)州の高級すし店が「自らを罰する」として閉店すると発表した。

 海洋哺乳類保護法違反容疑で訴追されていたのは、同州サンタモニカ(Santa Monica)の高級すし店「ザ・ハンプ(The Hump)」と日系米国人シェフの男性(45)。米国では、同法により鯨肉の販売が禁止されている。有罪になれば、シェフには最高で罰金10万ドル(約900万円)、経営者には最高禁固1年と罰金20万ドル(約1800万円)が科される。

 日本のイルカ漁を批判した内容で、今年のアカデミー賞(Academy Awards)の長編ドキュメンタリー賞を受賞した米映画『ザ・コーヴ(The Cove)』の中に、このすし店がイワシクジラの肉を出していることが登場していた。この映画の制作スタッフが当局へ通報した。

「ザ・コーヴ」を監督したルイ・シホヨス(Louie Psihoyos)氏は数か月をかけて、このすし店が鯨肉を提供している証拠を集めた。時には普通の客を装わせて、スタッフを店に送り込む「奇襲」も行った。スタッフたちは小型カメラで出された鯨肉を撮影したほか、鯨肉をネタにしたすしを隠して持ち帰り、研究所に鑑定を依頼した。その結果、イワシクジラの肉であることが判明した。(c)AFP

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