【11月25日 AFP】中国・雲南(Yunnan)省大理(Dali)。標高3000メートルの山脈の稜線を風力タービンが埋め尽くしている。クリーンかつグリーンなエネルギーをという中国の野望のシンボル的光景だ。

 国内最高所にあるこのウィンド・ファームは、41基のタービンで、年間で石炭2万トンを燃焼させた場合と同量のエネルギーを生み出す。

 中国は、エネルギーの70%以上を石炭に頼っており、温室効果ガスの世界最大の排出国となっている。中国政府は現在、二酸化炭素排出量の削減に積極的に取り組んでおり、再生可能エネルギーの開発を優先課題に掲げている。再生可能エネルギー(主に風力と水力)が全エネルギーに占める割合を、2020年までに15%へ引き上げるのが目標だ。 

 雲南省は水力発電が盛んな地域だが、冬季の発電量減少を補おうと、ウィンド・ファームの風力タービンが10月から4月までフル稼働している。

■意欲的な目標値

 中国では、ウィンド・ファームの建設がブームとなっており、その設備容量は2008年まで4年連続で倍増ペースで増加している。2008年の総発電量12.2ギガワットは、米国、ドイツ、スペインに次ぐ数字だ。

 中国政府も、2020年の風力発電量の目標値を当初の30ギガワットから100ギガワットへ大幅に引き上げている。

 北部の甘粛(Gansu)省などには巨大なウィンドファームが存在するが、大理のウィンドファームのような小規模なものも続々建設されている。これらの資金のほとんどは「クリーン開発メカニズム(Clean Development MechanismCDM)」から拠出されている。

 クリーン開発メカニズムは、京都議定書(Kyoto Protocol)に導入されたもので、途上国のクリーンエネルギー開発費用を先進国が温室効果ガス削減努力の一環として負担するものだ。(c)AFP/Jerome Cartillier