【9月19日 AFP】何がミツバチを殺しているのか?――フランス・モンペリエ(Montpellier)で20日まで開催される国際養蜂者団体連合会(International Federation of Beekeepers' AssociationsApimondia)の第41回国際養蜂会議に集まった養蜂家や昆虫学者ら約1万人の最大の関心事はこれだ。

 北米各地や欧州のみならず、アジア各地でも、ミツバチの巣箱は「蜂群崩壊症候群(Colony Collapse Disorder、CCD)」と呼ばれる謎の現象の直撃を受けている。通常、巣箱におけるミツバチの減少率は5%程度だが、CCDの場合は3割から5割、時には90%も死滅してしまう。さらに不気味なことに巣箱付近には死骸(しがい)がほとんどと言っていいほど見あたらない。 

 CCDの原因についてはこれまでに数々の調査が行われているが、特定には至っていない。バロアダニ、ノゼマ原虫の寄生、農薬や気候変動の影響、アジア種のスズメバチの侵入、道路や芝生の整備で草花が失われていくことによる栄養不良などが挙げられている。

 いずれにせよ、さまざまな要因が複雑に絡み合っている可能性がある。

■新たな研究

 前月、米イリノイ大学(University of Illinois)の昆虫学者らは、CCDに見舞われた巣箱のミツバチではリボソームの破壊量が多いとする研究結果を発表した。リボソームは細胞内の重要なタンパク質製造装置であり、生体の存続において中心的な役割を果たす。これが傷つくと、殺虫剤にも、菌の感染やバクテリアにも、栄養不良にも対応できなくなるという。 

 そして、リボソームの破壊をもたらすウイルスの宿主はバロアダニだという。バロアダニはミツバチの商業取引のいずれかの段階で偶然混入して拡散するという。(c)AFP/Emmanuel Angleys