【7月29日 AFP】欧州連合(EU)によるアザラシ製品の禁輸措置に対し、カナダ政府は27日、自国のアザラシ猟保護のため世界貿易機関(World Trade OrganizationWTO)に提訴すると発表した。

 ストックウェル・デイ(Stockwell Day)貿易相は、記者団に対し「われわれはこの措置に非常に失望している。WTOのガイドラインに違反していると確信している。(アザラシ猟は)人道的、科学的であり、持続可能性に関する環境規則に従ったものだ」と語った。

 EUは、EU域内27か国におけるカナダ製アザラシ製品の取引禁止措置を決めていた。棄権したデンマークとルーマニア、オーストリアの3か国以外はすべて賛成した。

 デイ貿易相は、「科学的根拠に基づかずに貿易について判断することは不適切だ。ゆえに本日カナダは、この採決について提訴することを発表する」と述べた。

 先住民イヌイット(Inuit)の団体「Inuit Tapiriit Kanatami」のメリー・サイモン(Mary Simon)代表は、禁輸措置について「動物保護団体の宣伝キャンペーンに影響された根拠のない非難」と批判した。

 15万人のイヌイットを代表する非政府組織(NGO)、イヌイット北極圏会議(Inuit Circumpolar CouncilICC)のバイオレット・フォード(Violet Ford)副代表(国際問題担当)は、イヌイットは今後もアザラシ猟を続けると述べ、法的な対応も検討していると語った。フォード氏は、「ロシア、アラスカ、カナダ、グリーンランドの全イヌイットが、この問題についてEUに反対する。われわれは数千年前から持続可能な方法による人道的なアザラシ猟を行ってきており、今後も同じことを続けていく」と語った。(c)AFP