【6月25日 AFP】中国政府が、同国にある世界最大級の三峡ダム(Three Gorges Dam)とほぼ等しい発電容量をもつ巨大な風力発電所の建設を、2020年までに同国北西部甘粛(Gansu)省で目指していることを、同省の副省長が25日明らかにした。

 同副知事によると、甘粛省では今後11年間で、現在すでに設置されている風力発電所の発電容量を20ギガワット以上に拡大し、現在の発電量の10倍以上に増やすことを計画しているという。副知事は「甘粛は『陸の三峡ダム』を目指す」と報道陣に語った。

 三峡ダムは総工費230億ドル(約2兆2100億円)をかけ、長江(揚子江、Yangtze River)中流域に開発された世界最大の水力発電所プロジェクト。発電機計26基の現在の発電容量は18.2ギガワットで、さらに6基を増設し最終的には22.4ギガワットになる予定だ。

 一方、新しい風力発電プロジェクトでは2020年までに100ギガワットの発電容量を目標としている。実現すれば、中国は風力発電テクノロジー市場の成長が世界で最も早い国となる見込みもある。

 中国国家エネルギー局(National Energy Administration)の張国宝(Zhang Guobao)局長は前年、内モンゴル(Inner Mongolia)自治区、新疆ウイグル(Xinjiang Uighur)自治区、甘粛省、江蘇(Jiangsu)省で2020年までに複数の「風力の三峡ダム」を作る方針を発表していた。(c)AFP