【5月21日 AFP】来月退任する国際捕鯨委員会(International Whaling CommissionIWC)のウィリアム・ホガース(William Hogarth)議長は20日、米下院の公聴会に出席し、捕鯨国と反捕鯨国の妥協による問題解決を目指した自身の方針が失敗に終わったことに対して遺憾の意を表するとともに、日本はもっと譲歩する必要があるとの考えを示した。

 来月ポルトガルで開催されるIWCの総会を最後にIWC議長職と米国代表を退任するホガース議長は、民主党議員から日本に対して譲歩しすぎだと批判されており、公聴会でも厳しい質問が相次いだ。

 これに対しホガース議長は、日本の提案は不十分だとの認識を表明。「米国は(日本の提案を)妥当な提案だとはまったく思わない。日本が(これ以上の)議論を望んでいないのであれば、問題解決は不可能だと思う」と述べた。

 ホガース議長は日本など捕鯨国との水面下の交渉で陣頭指揮を執った。この中で、日本は調査捕鯨における捕獲数の削減する案を提示したが、毎年行っている南極海での調査捕鯨の廃止は受け入れられないとの立場を取っている。日本はまた、近海での沿岸捕鯨の再開も求めている。

 ホガース議長は、サウスフロリダ大学(University of South Florida)海洋科学学部の学部長も務める生物学者で、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)前米大統領の任命でIWC米代表に就任した。(c)AFP/Shaun Tandon