【5月8日 AFP】国連環境計画(UN Environment ProgrammeUNEP)は6日、海で紛失または廃棄された漁網が魚に危害を加え続ける恐れがあり、海の生態系への脅威になりつつあるとの報告書を発表した。

 国連食糧農業機関(United Nations Food and Agriculture OrganisationFAO)との共同研究に基づいて作成された報告書は、海で紛失・投棄・廃棄された漁具は、海ごみ(64万トン)の約10%を占めていると推定している。
 
 さらに、漁業活動の拡大や、耐久性がよりすぐれた漁具の使用により、問題は悪化しつつあると懸念している。

 最も深刻なのは、海底に設置される刺し網だという。海底に数千メートルにも及ぶ「壁」をつくることもあるこの刺し網がそのまま放置されると、その後も水生動物を見境なく捕り続けることになるという。

 報告書は、カニを捕るための仕掛けなども、地域によってはハリケーンシーズンごとに数十万個単位で流されていると指摘する。

 報告書は、こうした傾向への対策として、漁具の紛失を報告した漁民への奨励金、より良い廃棄計画の策定、生分解可能な漁具の開発などの案を挙げている。(c)AFP