【12月4日 AFP】温室効果ガスで海水中の酸性度が高まり、音が遠くまで届くようになったため、海洋雑音が悪化して海洋ほ乳類同士のコミュニケーションが難しくなっている――。イタリア・ローマ(Rome)で3日に開幕した「移動性の野生動物種の保護に関する条約(Convention on the Conservation of Migratory Species of Wild AnimalsCMS)」の締約国会議で、国連(UN)関係者や専門家が指摘した。

 クジラ・イルカ保護協会(Whale and Dolphin Conservation SocietyWDCS)のマーク・シモンズ(Mark Simmonds)氏は、船舶の航行や石油・天然ガスの採掘、軍事用ソナーなどが原因で発生する海洋騒音で、「音響の霧が発生し、鯨類が社会集団を維持したり、繁殖相手を見つけるなど際の妨害となっている」と警告した。

 海洋騒音に関するある研究結果によれば、海中の酸性度が高まると、音は遠方まで届くようになり、特に海洋ほ乳類がエサや仲間を見つける際に出す低周波音に対し、影響が顕著だとされている。

 また、別の研究者によると、過去40年で海洋騒音は2倍になり、「シロナガスクジラのコミュニケーション能力は90%も低下した」という。

 CMS締約国会議は、3日間の日程で、海洋雑音対策をめぐる決議案を討議する。決議案は、海洋雑音が絶滅の危機にある生物に与える影響の軽減や、環境への影響の調査、海洋ほ乳類に危険をもたらす可能性がある強力な海洋ソナーの使用回避を、締約国110か国に求める内容となっている。(c)AFP