【11月24日 AFP】(写真追加)オーストラリアのタスマニア島(Tasmania)で23日、浜辺に乗り上げたパイロットクジラ12頭を救出するための大々的な移動・救出作戦が行われた。
 
 同島の当局者によると、アンソニーズ・ビーチ(Anthony's Beach)に22日、パイロットクジラ64頭が乗り上げた。その大半がメスと子どもで、うち52頭が死亡したが、残り12頭については救出チームにより夜通しの看病が行われた。

 そして翌23日朝、体長3-5メートル、大きい個体では重さ1.5トンのクジラたちの救出活動が開始された。まずクジラにネットがかけられ、特別に改造された自動車運搬車に2頭ずつ積まれて、17キロ離れたゴッドフリーズ・ビーチ(Godfrey's Beach)に運ばれた。

 ビーチに到着したクジラたちは、救出チーム約70人の手により、慎重に浜辺を引きずられ、海に押し戻された。この過程で1頭が死亡したが、残り11頭については無事に海に戻されたという。一部のクジラにはGPSが装着され、今後の動きが監視されるという。

 死亡した複数のクジラからは、科学的調査の目的で、サンプルが採取されるという。また当局はクジラの死骸(しがい)をどう処理するか関係先と交渉を進めている。

 当局者によると、クジラが浜に乗り上げる現象は、タスマニアでは毎年多く発生している。その理由については数多くの仮説があるが、科学的には依然として解明されていない。(c)AFP