【10月31日 AFP】これまで地球温暖化の影響をあまり受けていないと見られていた南極でも、氷の融解が進んでいるとの研究結果が、30日の英科学誌「ネイチャー・ジオサイエンス(Nature Geoscience)」に発表された。

 今回の研究では、両極での気候変動は自然によるものではないとの確固たる証拠が示されている。

 これまでの研究では、過去1世紀の間に北極の気温は地球全体の平均の約2倍上昇し、同地域の海氷が激減して生態系が破壊されてきたことがはっきりと示されている。

「一方、これまで十分なデータがなかったため、南極ではそのような状況は把握されていなかった」と、論文の共著者で英イーストアングリア大学(University of East Anglia)教授のAlexey Karpechko氏は述べている。

 今回は、これまでの研究で行われていたように南極および北極の全体を網羅するのではなく、正確な観測データが得られた地点を格子状に結んで研究を行った。

 これにより、気候モデルがより精密になり、産業による温暖化ガス排出の影響と大気のオゾン層減少を考慮に入れなければ、20世紀に観測された気温変化は起きなかった可能性があることが示された。(c)AFP