【10月22日 AFP】世界自然保護基金(World Wildlife FundWWF)は21日、豊かな生態系を誇るアジアの「コーラルトライアングル(Coral Triangle)」地帯でマグロの主要種が乱獲の危機にあり、食い止めるためには抜本的な再検討が必要だと発表した。

 WWFの研究者Lida Pet Soede氏は、資源枯渇した世界各地の漁場からコーラルトライアングルに漁船が流れ込んできており、クロマグロ(本マグロ)やメバチマグロなどの乱獲の危機が増大していると語った。

 インドネシア、マレーシア、フィリピン、パプアニューギニア、ソロモン諸島、東ティモールに囲まれたコーラルトライアングルは、WWFによると、世界のマグロ漁獲高の89%に上るマグロの回遊ルートであるとともに、産卵・生育の場所にもなっている。

 また、コーラルトライアングルは、地球上で最も多様な生物が生息する地帯の1つ。

 Soede氏は「コーラルトライアングルは、マグロの多くの貴重種にとって非常に重要な産卵場となっている。より広い視野では、このことが非常に重要だ」と語った。

 スペインや日本などは前週、地中海でのクロマグロ漁の中止を決めた。Soede氏は、これによって、コーラルトライアングルに多くの漁船が流れ込んでくることになると述べた。(c)AFP