【10月7日 AFP】ベトナム政府とアジア開発銀行(Asian Development BankADB)は6日、水力発電所建設プロジェクトへの1億9600万ドル(約200億円)の融資契約を締結した。国際開発機関がベトナムの大規模ダムプロジェクトに融資するのは初めて。

 ADBによると、融資対象となるのは、中部クアンナム(Quang Nam)省のトゥーボン(Thu Bon)川流域に建設予定の第4ソンブン(Song Bung)水力発電所(出力156メガワット)。現地は少数民族のカトゥー(Co Tu)族が暮らす貧困地域だ。

 急速な経済成長と社会経済発展を達成するため、経済と環境の両面で持続可能な手段による電力の安定供給が必要だと、融資締結の調印式に出席したADBベトナム事務所の小西歩(Ayumi Konishi)所長は融資の意義を語った。また、同プロジェクトが環境維持と社会発展を両立させた水力発電開発の成功例となることへの期待を示した。

 水力発電所建設にあたっては、自然豊かな周辺環境や動植物への影響が懸念されているが、ADBは発電所建設が地域住民の生計手段や社会インフラに及ぼす影響については、文化的に適切な手段で回復措置をとり、開発の悪影響を補うよう自然保護に配慮すると表明している。(c)AFP