【9月11日 AFP】目撃例がほとんどないために、過去には「架空の一角獣」とみなされていたこともあるオカピの野生の姿が、世界で初めてカメラにとらえられた。ロンドン動物学会(Zoological Society of LondonZSL)が11日明らかにした。

 オカピが約50年前に最後に目撃されたコンゴ民主共和国(旧ザイール)のビルンガ国立公園(Virunga National Park)に、ZSLとコンゴ自然保護協会(ICCN)が仕掛けたカメラは、10年以上続いた内戦で絶滅が案じられたオカピの姿をしっかりとらえていた。
 
 ZSLのノエル・カンペル(Noelle Kumpel)氏は、「かようにカリスマ的な動物を初めてカメラにとらえられたことは素晴らしい」と喜びを語った。オカピはとても神経質で希少なため、これまでの調査は糞などの痕跡を追うことに限定されてきたという。

 キリンのように長い舌を持ち、尻部にシマウマのような横縞があるオカピは、約50年前に同公園のセムリキ川(Semliki River)西岸で目撃されたのを最後に、目撃例が途絶えていた。だがZSLの今回の調査で、以前には知られていなかったセムリキ川東岸の生息域が発見され、3頭が確認された。ZSLは今後の調査で、保護活動には欠かせない「生息域と生息数」を明らかにしたい考えだ。

 コンゴでは度重なる紛争とインフラの不整備のため、森へのアクセスが困難だ。そのためオカピの正確な実態はわかっていないが、ZSLは「今回新しく発見されたオカピも、密猟者たちの脅威にさらされている」と指摘する。

 現に、同公園で捕獲されたとみられるオカピの肉が、付近の街の市場に並んでいるという。ZSLは「このままのスピードで密猟が続けられれば、同公園のオカピは数年以内に絶滅するだろう」と危機感を募らせている。(c)AFP