【8月15日 AFP】カナダでは今年、大気汚染によって2万人以上が死亡する――。カナダ医師会(Canadian Medical AssociationCMA)が14日、大気汚染および関連疾病による人的被害に関する報告書の中で発表した。

 同報告書によると、カナダでは今年、大気中の有害物質などを吸引することにより、およそ2万1000人が死亡すると見積もられている。また、カナダ国内では2031年までに、大気汚染に短期的にさらされた9万人近く、長期的にさらされた70万人以上が死亡するとの見方が示されている。

 カナダの中でも、オンタリオ(Ontario)州とケベック(Quebec)州の住民が最も被害が大きいとされている。両州の人口はカナダ全体の62%に過ぎないが、早死する人の70%がこの地域の住民だという。

 一方、こうした被害をもたらす大気汚染物質については、必ずしもカナダだけの責任ではないという。CMAの法律顧問は「カナダは米国中西部からの大気汚染の影響が大きい。大気汚染物質は米中西部から北上し、オンタリオ州に到達、その後ケベック州に流れていく」と指摘する。(c)AFP