【7月22日 AFP】海氷の縮小により、南極地域で氷山が海底に当たり削り取る度合いが増加しているとする論文が、17日の科学誌「サイエンス(Science)」に発表された。

 南極の海洋生物の約80%は海底に生息している。氷山のこうした動作により、海面から500メートル以内に生息する動植物の命が危うくなっている。

 海氷が削られることで、海洋生物の生息域が生まれて多様性が促進される一方で、研究者らは、氷山が頻繁に海底を削ると主要種の分布が変化し、南極地域の海洋生物の種類や生息数に影響が及ぶと警告している。

 地球温暖化で冬期の海氷の面積が減ったり、出現期間が短縮されると、氷山が海底を削り取る回数が短期間で増加すると専門家らはみている。(c)AFP