【7月11日 AFP】世界の造礁サンゴの3分の1が気候変動と水質汚染のため絶滅の危機にひんしていることが、国際自然保護団体などの調査の結果、明らかになった。

 この調査は、世界最大の自然保護機関「国際自然保護連合(International Union for Conservation of NatureIUCN)」や国際環境保護団体「コンサベーション・インターナショナル(Conservation InternationalCI)」などの専門家39人が実施したもの。サンゴ礁845種を対象に初の世界規模の海洋生物の生態調査が行われ、その結果が10日発表された。

 調査報告書の主執筆者ケント・カーペンター(Kent Carpenter)氏は、今回の結果について大きな懸念を表明。「サンゴが絶滅すれば、サンゴ礁に食住を依存するほかの海洋生物も死に絶える。ひいては、生態系全体の崩壊につながる可能性もある」と述べている。

 CIのロジャー・マクマナス(Roger McManus)氏によると、造礁サンゴは特に気候変動の影響を最も受けやすく、サンゴが白くなり死滅することもある白化現象が、水温上昇の影響で広まっているという。

 魚類を含めた海洋生物の25%がサンゴ礁に生息していることから、サンゴ礁が失われれば沿岸の漁業従事者が深刻な被害を受ける可能性もあるとされている。(c)AFP